《ルニィ》最初の見栄が、一番高くつく。
「本当は、もう続けるのが苦しいんです。」
そう話してくださった、
相談者様がいました。
その苦しさは、
今日始まったものではありませんでした。
ずっと前、
たった一度ついた
小さな見栄から始まっていたのです。
ある人生の節目で、
多くの方が集まる場が開かれました。
その日だけは、
普段ならお声がけしないような方々にも
来ていただいたそうです。
「せっかくなら。」
「少しでも良く見られたい。」
そんな気持ちがあり、
ほんの少しだけ、
背伸びをしたつもりでした。
ところが後日、
その場で生まれたご縁から、
仕事の相談が届きます。
ありがたいお話でした。
でも、その依頼を
そのまま受けることはできない。
立場上、
一人だけを特別扱いすることは
できなかったからです。
断れば期待を裏切る。
受ければ自分の信念に反する。
その間で揺れながら、
別の形をご提案し、
その場は収まりました。
でも、
相談者様は静かに笑いながら、
こうおっしゃいました。
「結局、あの時断っていたら。」
そういうと、
困った表情で俯きました。
見栄は、
一度張ると終わらせることが
難しくなることがあります。
その見栄を守るために、
また次の見栄を張る。
「できます」と言ったから、
「できません」と言えなくなる。
「大丈夫」と言ったから、
「助けて」と言えなくなる。
最初は、
ほんの少し良く見られたかっただけ。
でも気づけば、
「期待を裏切りたくない。」
「がっかりされたくない。」
その気持ちが、
自分を休ませてくれなくなる。
そして、
その姿が、「本当の自分」に
なってしまうことがあります。
ご相談を伺っていると、
悩みは違うのに、
同じように見えることがあります。
それは、
「今の悩み」ではなく、
「最初に無理をした自分」を、
今も守り続けている姿。
最初の見栄は、
小さなものでした。
でも、
一番高くついたのは、
お金ではありません。
本音を言えなくなったこと。
無理をすることが、
当たり前になってしまったこと。
そして、
自分らしくいられなくなったこと。
それが、
あの日の小さな見栄が払うことになった、
本当の代償だったのかもしれません。
ルニィ
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