《ルニィ》離れてほしかった。でも、いなくなってほしくなかった。
「俺、人との距離感が、
あんまり得意じゃないんですよね。」
そう話してくれた男性には、
趣味を通じて知り合った人がいました。
その趣味については、
彼の方が少し詳しい。
もともと世話好きだったこともあり、
「それなら、こっちの方がいいよ。」
「こういうやり方もあるよ。」
聞かれる前から、
いろいろ教えていました。
相手も喜んでくれる。
自分の知識も、誰かの役に立つ。
最初は、
それでよかったのです。
ところが、
いつしか友人は何かあるたびに、
彼を頼るようになりました。
「これはどうしたらいい?」
「どっちがいいと思う?」
そのたびに、答えていました。
でも、だんだん怖くなってきた。
「もし、
俺の言ったことを全部、
鵜呑みにされたら?」
自分は、その道のプロではない。
ただ、少し詳しいだけ。
もし間違っていたら。
もし何かあったら。
そこまでの責任は、背負えない。
そしてある日、彼は言いました。
「俺じゃなくて、お店の人とか、
ちゃんとプロに聞いてよ。」
少し、
突き放すような言い方でした。
それから、
相手は聞いてこなくなりました。
彼が言った通り、
別の人を頼るようになった。
連絡も減り、いつの間にか、
交流そのものがなくなりました。
これでいい。
もう、
何かを聞かれるたびに
困らなくて済む。
責任を感じることもない。
自分が望んだ通りに、
なったはずでした。
それなのに、
「今、どうしてるのかなって、
たまに気になるんですよね。」
彼は、
どうしたかったのでしょう。
自分から、
「俺を頼らないで。」
と言った。
相手は、その通りにした。
なのに、今度は自分が、
相手を気にしている。
なんとも、
勝手な話に聞こえます。
でも、人の気持ちは、
いつも筋が通っているとは限りません。
鑑定でも、
「自分でも、何がしたいのか分からない。」
というご相談をいただきます。
相手に変わってほしいと思っていたのに、
本当に変わるとモヤモヤする。
離れたいと思っていたのに、
本当に離れていくと気になる。
言っていることと、
心の動きが、どうにも噛み合わない。
そんな時、無理に、
「こう思わなきゃ。」
と辻褄を合わせなくてもいいのかもしれません。
なぜ、
あの時は離れてほしかったのか。
なぜ、
今になって気になるのか。
そして、このご縁は、
もう終わったものなのか。
そこを一緒に見ていくと、
最初に考えていたものとは、
少し違うものが見えてくることがあります。
「俺を頼らないで。」
その願いは、
ちゃんと叶いました。
それなのに、
どうして寂しいのでしょう。
あなたが欲しかったのは、
本当に《離れること》だったのでしょうか。
🌜ルニィ🌛
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