《鳥居さり》その話はなぜ誰にも話せないのか
占い師のもとには、実にさまざまな話が持ち込まれます。
楽しい恋の話。
これからの人生について。
仕事や家族のこと。
そして、誰にも話せなかった秘密。
占い師をしていると、この誰にも話せなかった秘密の話が、意外なほど多いことに気づきます。
初めてお会いした方が、しばらく当たり障りのない話をしていたあと、ふっと声を落として話し始める。
実は、誰にも言っていないことがあるんです。
そう言って語られる話は、とても静かです。
けれど、その人が長い時間をかけて胸の奥にしまい込んできたものなのだと、言葉の端々から伝わってくることがあります。
なぜ、人には話せないのでしょう。
理由は人それぞれです。
否定されるのが怖い。
恥ずかしい。
普段の自分のキャラクターからは想像もつかない。
こんなことを考える自分はおかしいのではないかと思ってしまう。
あるいは、自分自身が、それは道徳的に間違っているとわかっている。
だからこそ、誰にも言えない。
人は誰しも、他人に見せている自分だけで生きているわけではありません。
しっかり者に見える人にも、弱さがある。
明るく朗らかな人にも、誰にも言えない悲しみがある。
誠実に生きている人にも、心の中で葛藤する瞬間がある。
そして、普段の自分とはまるで違う感情を抱いてしまうことだってあります。
何事にもオープンマインドで、どんな話でも友人に話せる人には、
この感覚は少しわかりにくいかもしれません。
しかし、話せないからこそ苦しくなる人もいるのです。
誰かに話した瞬間に、自分を見る目が変わってしまう気がする。
大切な人に知られたら、軽蔑されるかもしれない。
家族には絶対に言えない。
友人に話せば、きっと正論を返される。
そんなふうに思えば思うほど、その話は心の奥へ沈んでいきます。
そして、沈めたはずのものほど、ふとした瞬間に浮かび上がってくる。
恋愛相談であっても、実際には恋愛だけの問題ではないことがあります。
好きになってはいけない人を好きになった。
終わらせたほうがいい関係を終わらせられない。
誰かを傷つけるとわかっていても、自分の気持ちを手放せない。
そんなとき、本当に必要なのは、ただ正しい答えを教えてもらうことではないのかもしれません。
まずは、自分の中にあるものを言葉にしてみること。
私は、占い師の仕事にはそれも含まれていると思っています。
占い師は、裁判官ではありません。
正しい、間違っていると判決を下すために話を聞くのでもありません。
もちろん、現実の中で取るべき責任や、考えなければならないことはあります。
しかしその前に、
なぜ自分はこんな気持ちになったのか。
本当は何を望んでいるのか。
何が怖くて、何を手放せずにいるのか。
そこを一緒に見つめることには、大きな意味があります。
人には話せない話だからこそ、占い師に話してみる。
それは、決して悪いことではありません。
むしろ、自分の心から目を背けずに生きようとしている証なのかもしれません。
あなたが誰にも話せなかったその話にも、きっと理由があります。
そして、その理由を知ることができたとき、あなた自身がまだ気づいていない本当の願いが見えてくることがあります。
占いとは、未来を当てること以上に、
誰にも見せられなかった心の奥に、一緒に灯りをともす仕事なのではないかと私は思います。
もし、誰にも話せない話があるのなら。
無理に誰かに話す必要はありません。
ただ、ひとりで抱え続ける必要もないのです。
占い調査団様にインタビュー記事が掲載されました🌟
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