《空馬羽津呂》◆第一章 バウハウスに学ぶ“コンセプトの力“ 3.余計なものを削ぎ落とす”と運が動き出す理由
◆ 1章-3 “余計なものを削ぎ落とす”と運が動き出す理由
バウハウスの思想の根幹にあるのは、「本質以外を徹底して排除する」という姿勢です。彼らは、ただミニマルな美しさを追求したわけではなく、“本質だけが持つ力”を信じていました。形を削ぎ落としていくと、最後に残るのは“意図”です。意図が明確になると、形は自然に立ち上がり、機能も美しさもその意図に従って整っていきます。
人生においても、同じことが起こります。私たちは、毎日の中でつい多くのものを抱え込んでしまいます。やらなくてはいけないと思い込んでいること、実は終わっている関係、惰性で続けている習慣、古い価値観、プライド、恐れ……。
こうした“余計なもの”は、部屋のホコリのように静かに積もり、気づかないうちに視界を曇らせていきます。そして、その曇りこそが、運が入ってくる流れを塞ぐ最大の要因です。
占いの現場でも、停滞している人には共通点があります。
それは「抱えすぎている」ということです。
抱えるものが増えるほど、身動きは鈍くなり、直感も働かなくなり、自分でも気づかぬうちに“幸運の通り道”を自らふさいでしまいます。
反対に、運が大きく動き始めるのはどんなときか。
それは、「削ぎ落としたあと」です。
仕事を整理した、部屋を片づけた、人間関係をリセットした、価値観が変わった……そんな「大きな手放し」をした直後に、決まって新しい出会いや好転が訪れます。
それは偶然ではありません。
バウハウスの言葉を借りるなら、“余白にこそ創造性が宿る”からです。
余白とは、ただ空いているスペースではありません。
次の流れが入り込むための“呼吸”のようなものです。
その呼吸の深さが、運の流れの強さを決めます。
だから、削ぎ落とすことは諦めではなく“創造”なのです。
余計なものを手放していくほど、あなたの意図は澄み渡り、その澄んだ意図に、運は敏感に反応します。
意図が透き通った瞬間、人生の動きは驚くほど軽くなり、スムーズになります。まるで滞っていた川の水が、一気に流れ出すように。
もし今、何かが重く感じるのなら、それは“扉を開ける前の最後のサイン”です。
本当に大切なものが残り、それ以外が静かに消えていくとき、運は再び動き出します。バウハウスが追求した“本質”は、人生における“幸運の本質”とも重なっているのです。

