《空馬羽津呂》◆ Prologue:コンセプトは現実をデザインする。5. 占いはアートか、情報設計か
5. 占いはアートか、情報設計か
私は長い間、占いを “アート” だと思っていました。
カードが示す象徴を読み取り、
その人の人生の物語を紡ぎ出す行為は、
どこか詩的で、感覚的で、
芸術に近いと感じていたからです。
しかし、ある時ふと気づきました。
占いは、感性だけで成立しているわけではない。
むしろ、占い師が行っていることは、
大量の情報を整理し、
意味を抽出し、
構造化する作業です。
これはまるで 「情報設計(インフォメーション・アーキテクチャ)」 に近いのです。
● 占い師は、情報の“編集者”である
カードの象徴、星の配置、過去の経験、
クライアントの言葉や表情、価値観。
散らばっている情報は、
どれか1つだけ見ても意味をもちません。
それらを並べ、整理し、
繋がりのある「物語」として再構築することで、
初めて「未来の地図」になります。
つまり、占いは
見えない未来の情報設計 なのです。
● バウハウスが証明した “機能と美の統合”
バウハウスは、
アート(美)とエンジニアリング(機能)を統合した場所でした。
椅子をつくるとき、
「美しいから」ではなく
「必要だから」形が決まる。
占いも同じです。
アートは感性を刺激し、
情報設計は行動を導きます。
感性だけでも、
分析だけでも、
人は動けません。
美と構造。
感性と情報。
インスピレーションとロジック。
その両方が揃ったとき、
自分がどこへ向かうべきかが “形として” 見えてきます。
● 占いは、未来へのプロトタイプ
占いとは、
クライアントが望む未来の “初期デザイン” をつくること。
未来を当てるのではなく、
未来を 試作(プロトタイプ)する のです。
アートの自由さと、
情報設計の構造を兼ね備えたもの。
それが占いの本質だと、今は思っています。

