《空馬羽津呂》◆ Prologue:コンセプトは現実をデザインする。4. 見えない世界を見える形にする、という仕事
4. 見えない世界を見える形にする、という仕事
占い師の仕事とは、何でしょうか。
カードを読むこと?
星の配置を説明すること?
未来を伝えること?
どれも間違いではありませんが、私が最も大切にしている役割は、
“見えないものを、見える形にすること” です。
バウハウスでは、「思想やコンセプトを形として具現化すること」が重要とされました。
椅子や建物という“形”は、必ずその背後にある“思想”が導いています。
形は結果であり、
思想は原因です。
占いも同じです。
カードや命盤は、見えない世界の「地図」ですが、
地図の読み方を知らなければ、行くべき方向はわかりません。
たとえば、
「行動したほうが良い時期」がきているのに、本人が気づけず怖くて止まっていることがあります。
逆に、「休む時期」なのに、焦って動こうとしてしまうこともあります。
私は、その人がまだ言語化できていない感覚や、
心の奥に眠っている願望や、
無意識の方向性を “言葉” と “構造” として表現します。
すると、クライアントはこう言います。
「そう、それが言いたかったんです。でも、自分では言葉にならなかった」
誰かに言葉で説明してもらうことで、
世界が輪郭を持ち始める瞬間があります。
見えないものに輪郭ができると、
人は初めて選択ができるようになります。
これは、アートの世界でいう「形にする」行為と同じです。
描くことで、
構築することで、
触れられるリアリティが生まれる。
私が占いをする理由は、
未来を予言したいからではありません。
クライアントが、自分の未来をデザインできるようにするためです。
そして、その人の内側にあるものが、
“見える形”として世界に現れたとき、
現実は動き始めます。
占いとは、
運命を決めるものではなく、
運命を形にするためのプロセスなのです。

